生きるとは『食』

人は死ぬ。

なのに、なぜ人は生きるのか。

そんな事を思いながら人が燃えるのを見ていた。

今年3月、僕はネパールにいた。

人よりも神々のが多いと言われる首都カトマンズ。

あちこちに寺院や神像が建ち並ぶ。

そのひとつのパシュパティナート寺院。

ここは一般客にも遺体を火葬する様子を見る事ができる。

辺りは煙と埃。

そして臭い。

多分人が焼けた匂いなんだろう。

自分の体臭もなんだか臭い。

ネパールに来てカレーばかり食べているせいか。

なんだか手も黄色い。

それにしても嫌な臭いだ。

しばらくステーキは食べれない。

てか食べたくない。

目の前で人の肉が焼かれているのだから。

しかし、たくさんの見物客だ。

やはり興味があるんだろう。

否が応でも死について考えさせられる。

誰にでも平等に訪れる死について。

なぜ生きるのか。

死ぬ事は決まっているのに。

なぜ死ぬのか。

生きていたいのに。

わからない。

命の重さは同じなのに。

どれぐらいの時間がたったのだろう。

たくさんの見物客も僕だけになってしまった。

人は死んだら灰になるというけれど、

灰にするにはかなりの重労働だ。

弱くなった火に油や藁を焚べたり、

焼け焦げた背骨を押し込んだり。

なんだか焚き火に見えてきた。

『生きてる人』と『死んだ人』は何が違うのか。

誤解を恐れずにいうと、

死んだらただの物。

魂とはなにか。

わからない。

運命とはなにか。

しかし腹が減った。

今日は考えすぎたのかも。

イヤ、考える機会を作って頂いたのだから。

命について。

死について。

魂について。

しかしわからない。

なぜ生きるのか。

しかし腹が減った。

もう帰ろう。

イヤダメだ。

答えを知りたい。

教えて欲しい。

命とはなにかを刻まなければ。

イヤダメだ。

腹が減った。

やはり考えすぎたせいだ。

頭が回らない。

何か食べたい。

そうだ。

『地球の歩き方』に載っていたオススメのレストランに行こう。

タメルに美味しいステーキ屋さんがあったっけ。




by kariage84 | 2017-12-04 02:48 | | Comments(0)

サーフィンとかジムニーとか思いつきでウダウダ。使用カメラはキヤノン EOS Kiss M 。


by カリアゲクン